2025.4.9(WED)

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「エイジングケア」は何歳から必要?
美容のプロに聞く始めどきと正しいケア

※本項で言う「エイジングケア」は年齢に応じたお手入れのことです

「エイジングケア」は何歳から始めればいいのでしょうか。答えは「エイジングサイン」が現れたら。肌の乾燥や目もとのシワ、髪のうねりなどは、どれもエイジングサインです。年齢に合ったお手入れであれば「早すぎる」ということはありません。具体的にはどのようなケアが正しいのか、美容のプロにお話を聞きました。

お話を伺ったのは…

美容愛好家・毛髪診断士認定講師
野毛 まゆり さん

1961年静岡県生まれ。外資系化粧品の販売・教育・広報PRを経て独立。
美容業界40余年、現在は女性誌、テレビ、ラジオ、Web等で美容コメンテーター、また企業の販売、接客マナー等の講師も務める。著書に『美しいものを売るために大切なこと(WAVE出版)』がある。

※ヤーマンより依頼したコメントを抜粋・編集の上掲載しています

「エイジング」ってどんな状態?エイジングのサインは?

エイジングとは英語で「aging」。つまり「年を取る(Age)」の進行形で、加齢するという意味です。美容においては「エイジングケア」という言葉がすっかり浸透し、さまざまなスキンケアアイテムが登場しています。ちなみに、エイジングケアとは「年齢に応じたお手入れのこと」
「エイジングは、成長が止まるとともに始まると言われています。その昔、化粧品メーカーの広告で『25歳はお肌の曲がり角』というキャッチコピーがありましたが、あながち間違ってはいません。『年齢に応じたお手入れ』は、20代から始めても早すぎることはありません」と、美容愛好家の野毛まゆりさん。

※ 画像はイメージです

では、エイジングのサインとは…?
最もわかりやすいのが目まわり
「皮膚が薄く、シワやたるみになりやすい場所。あくまでも例えですが、頬などの皮膚がタオルくらいの厚さなら、目のまわりはティッシュ1枚分程度。実際はもっとずっと薄いわけですが、それくらいの違いがあります。
目まわりのシワは『笑うと現れるシワ』と『無表情でもあるシワ』があり、後者はエイジングのサイン。そして、まぶたや目の下がたるんできたら、これもエイジングのサインです。写真を撮ったときに、以前より目が小さく感じたら、まぶたが下垂しているかもしれません。
皮膚が薄いため、紫外線や摩擦、乾燥など、最もダメージを受けやすい場所。アイクリームはたくさんでていますが、化粧品会社が今、一番力を入れているのも目まわりのケアアイテムです」

※ 画像はイメージです

次に、エイジングのサインとしてあらわれるのが口もと
ほうれい線は40代を過ぎると気になり始めるエイジングサイン。表情筋の衰えなどでフェイスラインが緩み、頬がたるむのが原因です。顔を良く動かすこと、おしゃべりはほうれい線対策に有効です。もちろんハリや弾力をケアするスキンケアも取り入れましょう」

加齢とともに毛穴も目立ってきます。
「ほうれい線と同様、皮膚のたるみにより毛穴が目立ち始めます。紫外線などのダメージで黒ずんでくることも。UVケアも大事なエイジングケアです」
保水力もエイジングにより低下し、乾燥しやすい肌に。
「肌のハリや透明感は、角質層が潤っていることが重要ですが、エイジングにより保水力が弱くなっていきます。子どもの頃はお風呂上りでも乾燥することはなかったと思いますが、年を重ねるにつれ、肌が乾燥しやすくなっているはず。くすみも乾燥により起こります。メイクの乗りが悪いと感じたら、それもエイジングのサインです」
頭皮や髪もエイジングが顕著。
「頭皮も顔の皮膚と同じように乾燥したり、毛穴がたるむなどのエイジングが起こります。明らかに変わるのは弾力。年齢を重ねると血流が悪くなり、頭皮が硬くなる。マイクロスコープなどで見ると、炎症を起こしている人も少なくありません。その結果、髪も乾燥したりうねった髪が生えてきたり、薄毛になることも。髪のつやがなくなってきたと感じたら、これもエイジングサイン。適切なヘアケアを」

《 エイジングのサインをチェック! 》

  • 目元のシワ・たるみ、まぶたの下垂
  • 肌の乾燥、くすみ
  • 口もとのほうれい線
  • 硬くなった頭皮
  • 毛穴の開き
  • 髪のパサつき、うねり

世代別エイジングケアで自分に合ったお手入れを

20代でもエイジングケアは必要だと話す野毛さん。ただし、21歳と29歳では肌の状態が異なるため、20代前半、アラサー世代、アラフォー世代、アラフィフ世代以降に分けてポイントを解説していただきます。

20代前半

「まず、どの世代も共通で最も大事なことが『洗顔』です。肌を清浄に保つことが基本のキ。化粧水やクリームなどの『与えるケア』と同じくらいに『落とすケア』も大事です。
20代前半はエイジングが始まる手前ですから、エイジングケアというよりも正しいスキンケアを習慣化すること。きちんと泡洗顔をして、化粧水や乳液といった基本のスキンケアを行いましょう。UVケアは重要ですので『守るケア』もしっかり行うこと」

アラサー世代

「肌の変化を感じ始める世代。乾燥し始めたり、小じわが気になる始める人も。鏡の前で思いっきり笑顔になってみましょう。そのあと、目じりのシワが戻らないようならアイクリームや美容液を使い始めるタイミングです。
また、ターンオーバーも遅くなってきます。しっかり洗顔を行わないと、角質が残ったままの肌ではスキンケアアイテムがしっかり浸透しませんので、30代は20代の頃よりもより洗顔を大切にしましょう。紫外線ダメージはこの先の肌に影響しますのでUVケアもより丁寧に行ってください」

※ 画像はイメージです

アラフォー世代

「プレ更年期になる人もいるなど、女性ホルモンの影響を受けやすくなる世代。肌はバリア機能が低下し、水分量も低下。トラブルも起きやすくなります。
スキンケアは化粧水、美容液、アイクリーム、クリームなど、フルラインナップで使いましょう。また、虫刺され跡や日焼け跡が治りにくくなるのを実感すると思いますが、これは代謝が遅くなっている証拠。
ターンオーバーがさらに遅くなっているので、ふき取り化粧水ややわらかいスクラブなどの角質ケアで、固くなった角質を落として、スキンケアを行いましょう。浸透力が変わります。」

アラフィフ世代以降

「更年期を過ぎると、肌の状態がさらに大きく変化します。私の場合はかぶれやすくなりました。この世代は、これまでのスキンケアを見直してみましょう。今まで行ってこなかったスキンケアを取り入れてみるのも手。たとえばブースター(導入美容液)を使ってみたり、ちょっと高級な洗顔を取り入れてみたり。ただし、ハイパワーの美容液などは強すぎるケースもありますので、ご自身の肌の状態よく見ながら使うようにしましょう。
また、更年期世代はホットフラッシュで汗をかきやすくなると、かえって肌が乾燥状態に。保湿はより重要になります。とはいえ、この世代は効果の手応えを感じやすいので、エイジングケアが楽しい世代。ぜひスキンケアを楽しんでください」

エイジングケアにおすすめの美容成分

最近は美容成分で化粧品を選ぶ人も増えてきました。エイジングケアに効果的な美容成分は?

・レチノール(ビタミンA):コラーゲンやヒアルロン酸の生成を促進。シワ改善に効果的。
・ナイアシンアミド:美白*2、肌荒れ、シワ改善の3つの有効成分。マルチに作用する注目の成分。
・ビタミンC:美白ケアやコラーゲンの生成、抗酸化などさまざまな美容効果が期待できる。
・セラミド:バリア機能を高め、皮膚から水分が蒸発するのを防ぐ役割が。
・アルブチン:シミの治療薬成分に似た構造を持つ、美白ケアの救世主。
・エクソソーム:細胞が活性化し、肌に弾力が。アンチエイジングの美容医療にも使われる。

男性もエイジングケアを

※ 画像はイメージです

メンズ美容は一般的になりつつあり「男性もエイジングケアが必要」と野毛さんは指摘します。
「女性は加齢とともに肌の水分も油分も減っていきますが、男性は水分は減っても油分はあまり減らないんです。だから肌がギラギラしていたりする。
男性の肌も、しっかり洗顔、保湿をすればすべすべ肌になりますので、化粧水、乳液などのスキンケアを始めてみましょう。これまで何もしていなかった人はすぐに効果を実感できるはずです。アフターシェーブローションは鎮静が目的なので、保湿をプラスしてください」

エイジングしやすい人としにくい人の生活習慣

老化のスピードは生活習慣によって大きく変わります。では、NG習慣とは?
もっとも影響するのが睡眠不足。睡眠時間が短い人や睡眠の質が低い人はエイジングしやすいと言えます。夜のカフェインは控え、寝る前にスマホは見ないこと。更年期世代は夜間頻尿も要注意です。夜中に起きてしまう人は寝る前の水分摂取を見直すことが必要かもしれません。また、寝る1~2時間前にお風呂にゆっくり入って、体を温めることも良い睡眠に繋がります」
食生活とエイジングも密接な関係が。バランスの悪い食事や糖質の摂りすぎ、食品添加物などはエイジングが進みやすいと言われています。

抗酸化物質である緑黄色野菜やポリフェノール、ナッツ類のビタミンEなどを積極的に。また、動物性たんぱく質はコラーゲンの材料となるアミノ酸を多く含み、大豆はイソフラボンなど、女性ホルモンに似た成分を摂ることができます。アンチエイジングにおすすめです。
「その他、紫外線や運動不足、喫煙、ストレスなども老化を進ませる原因に。UVケアをしっかり行い、軽い運動を取り入れて、気分をリフレッシュするようにしましょう」

まとめ

エイジングは誰にも平等に訪れることですが、そのスピードを決めるのは自分。お手入れや生活習慣次第で、いくつになっても肌は変わります。自身の変化にポジティブに、エイジングケアで変わる肌を楽しみましょう。

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