2024.12.17(TUE)

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気温や湿度がぐっと低くなる冬は、肌のうるおいが大気に奪われがち。カサカサ肌を放っておくと皮膚のバリア機能が低下して、ますます乾燥しやすい肌に。
そもそも乾燥肌ってどんな状態?効果的なお手入れは?乾燥肌診断からわかる、自分に合った正しいスキンケアとは。

お話を伺ったのは…

青山フュージョンクリニック 院長
吉田 美奈子 先生

聖マリアンナ医科大学卒。小児科医、地域診療を経て、皮膚科、内科、美容皮膚科の専門クリニック「青山フュージョンクリニック」を開業。幅広い年代の女性の美と健康に寄り添う。

※ヤーマンより依頼したコメントを抜粋・編集の上掲載しています

肌の乾燥ってどんな状態?
寒い時期はなぜ乾燥しやすいの?

肌はバリア機能によってうるおいが守られています。しかし、さまざまな要因でバリア機能が低下すると「表皮」と呼ばれる部分に保たれている水分が蒸発
これを肌の乾燥と呼びます。

※画像はイメージです

「バリア機能が低下する要因は、朝晩の寒暖差や空気(エアコン)の乾燥に加え、スキンケアが合っていない、紫外線、大気の汚れなどさまざま。さらに季節の変わり目は自律神経の乱れなども皮膚トラブルの要因になります。
また、寒さは血管をギュッと縮ませるため、皮膚に栄養がいかなくなるのも冬に肌が乾燥する原因。40代、50代になると肌はコラーゲンやヒアルロン酸不足、皮脂量や新陳代謝も低下するため、加齢によっても乾燥肌を引き起こします」(吉田先生)

肌の乾燥はバリア機能が壊れているサイン。悪化すると赤みやかゆみといった肌荒れを起こすこともあるので、早めのケアが大切だと先生は指摘します。

「ライフスタイルでは、寝不足の人は肌のターンオーバーが乱れがち。ダイエットなどの栄養不足も乾燥の原因になります。たんぱく質不足の肌は乾燥しやすくなりますよ。また、スキンケアでオイルを使っている人も要注意。皮脂を取りすぎてしまい、酸化した油分は肌の刺激になります」(吉田先生)

でもご安心を!肌の乾燥は予防できます。まずは日常生活を見直してみましょう。

※画像はイメージです

《 肌を乾燥させないコツ 》

  • 部屋を加湿する(湿度60%を目安に)
  • 保湿力の高いスキンケアに変えてみる
  • クレンジングにオイルは使わない
  • 冬でも日焼け止めはしっかり塗る
  • 冷え性の人は冷え対策を
  • お風呂で血液循環を促す
  • 1日7時間くらいは眠るようにする
  • 栄養バランスのよい食事を心がける
  • クリニックでコラーゲン(肌育成剤)やヒアルロン酸の補充もおすすめ

皮膚科医監修の「乾燥肌タイプ診断」で自分に合ったスキンケアを探そう

乾燥肌は、大きく分けて3つのタイプに分かれます。自分の乾燥肌タイプを知って、正しいスキンケアに変えてみましょう。もちもちの肌に変わっていくはず。

乾燥肌タイプ診断

間違いだらけの乾燥肌対策、
「こんなスキンケアは絶対にダメ!」

肌タイプにかかわらず、乾燥を余計に招いてしまう「乾燥肌のNG習慣」を吉田先生に聞きました。うっかりやっているそのケア、かえって乾燥を悪化させているかも?

01 オイルクレンジングで
しっかりメイク落とし

「油分を補うどころか取り去ってしまいます。また、オイルは「酸化」する特性があり、それが毛穴などに入ると肌ダメージにつながるのです。オイルクレンジングをやめるだけでも、肌の状態が変わってきますので、ミルククレンジングに変えてみましょう。ポイントメイクはオイル系で落としても構いません」

02 メイク落としは
ふき取りタイプで角質ケア

乾燥肌に悩んでいるならメイク落としに「拭き取り」は避けて。

ふき取りもバリア機能を壊すのでNGです。古い角質は取れますが、必要以上に肌が傷ついてしまいます。化粧水もコットンでパックするのではなく、必ずハンドプレスで。仕事で遅く帰ってきて、クレンジングする元気もない……という日は、そのまま寝るよりは拭き取りましょう」

03 肌の調子がいいので、
スキンケアは何年も変えていない

「肌の調子がいいと思っていても、年齢とともに乾燥は進みます。また、体調の変化で肌の調子が急に変わることも。スキンケアは肌の状態を優先して臨機応変に使い分けましょう

04 スチームは肌がもっちりするので
スキンケアいらず

W温スチーマーでうるおいケアができる美顔器スチーマーのフォトケア。

「たしかにスチームで肌が潤ったように感じますがになりますが、毛穴が開くので終了後は必ずクリームでふたを。そのままだとむしろ乾燥が進むことに」

05 会社での乾燥対策に
顔に水分をスプレーしている

「これは何をスプレーしているかによります。保湿成分が入ったものであれば問題ありませんが、時々スプレーに水を入れて使っている人がいます。ただの水は蒸発する際に皮膚の水分も一緒に奪ってしまうので、絶対にやめましょう

06 週末は肌に負担をかけないように
なにもつけずにデトックス

「肌を甘やかさない方がいい、というのは間違いです。少なくともたっぷりの化粧水と乳液、またはクリームは最低限、朝晩行いましょう。メイク前にクリームは重い、という人はティッシュオフしたり、少し時間をおいてからメイクを。仕上がりも全然変わってきますよ」

07 ヒルドイドを乾燥肌用の
クリームとして愛用中

「ヒルドイドは血行促進のお薬。アトピーなどの治療に使うもので、本来スキンケアに使うものではありません。顔が赤くなることもあるので、使用は控えましょう」

《Q&A》悩める乾燥肌 
先生教えて!

最後に、吉田先生に乾燥肌に悩む方のリアルなお悩みに答えていただきました。

吹き出ものが気になって、クリームを塗りたくありません。乾燥対策にはどうすればいいですか?

クリームは塗っても構いませんよ。ニキビケアはスキンケアでケアするという考え方ではなく、内服など皮膚科に相談をしてみましょう。ニキビ跡が残らないように、きちんと治すことが大切です。

冬になるとかゆみがでるのですが、敏感肌用のスキンケアに変えた方がよいでしょうか。

かゆみは肌荒れのサインですからスキンケアは変えた方がいいですね。ただし、保湿力の高いセラミド入りなどを使いましょう。秋から冬にかけては花粉アレルギーや寒暖差アレルギーなども出やすくなるので、スキンケアは肌の状態をしっかり見極めて選ぶようにしましょう。

娘と一緒に、同じスキンケアを使うのはよくないですか?

エイジング肌には、年齢に合ったスキンケアアイテムを使いましょう。間違ったスキンケアが乾燥を招いてることは少なくありません。40代を過ぎたら加齢性乾燥肌になる人が多いので、エイジング肌に必要な美肌成分を肌に届けてあげてください。

スキンケアが合っているのかよくわかりません。何で見極めればよいでしょうか。

スキンケアのあと、そして朝起きたときの肌に触れたときにもっちりしていること。さらっとしていたらうるおい不足で、べたっとしていたらインナードライの可能性が。手のひらを頬につけたときに「ぴとっ」とくっつくような感じなら、スキンケアは合っていると思います。気になるときは、美容皮膚科などで肌診断をしてもらうのもおすすめです。

オールインワンのスキンケアは、美容成分が足りませんか?

クリニックではオールインワンはすすめていません。化粧水・乳液・クリームなどの複数のアイテムを1つのアイテムにまとめたのがオールインワン。ひとつずつのアイテムの量が減る分、美白やシワ改善、エイジングケアなどの美容効果が低くなると考えられます。
表面的にはうるおいますが、肌まで保湿するためにはやはり化粧水をたっぷりしみこませるのがとても大事。私はいつも、化粧水とクリームでは化粧水が先になくなります。乾燥が気になるときは、化粧水(3回)+クリームと覚えておきましょう。

冬は肌にとって過酷な季節です。うるおいを保つバリア機能を守るためにも、正しい保湿ケアを続けてみて。お手入れすれば、肌はきちんと応えてくれます。寒い季節も「もちもち肌」で過ごしましょう。

Q1. あなたの肌悩みは?

※あてはまるものすべて選択してください

Q2. あなたのライフスタイルは?

※あてはまるものすべて選択してください

Q3. あなたのスキンケア後の肌は?

※あてはまるものすべて選択してください

Q4. あなたの日中の肌の状態は?

※あてはまるものすべて選択してください

あなたは「インナードライ(混合肌)」タイプ

●見分け方

肌のキメが荒く、Tゾーンがべたついて頬は乾燥しているのがインナードライ。肌表面はうるおっていても、肌が乾燥しているため、過剰な皮脂分泌を起こしています。
脂性肌(オイリー肌)との見分け方は、「部分的にテカっている」かどうか。脂性肌は、水分量は足りていて、皮脂量が多いタイプ。若い世代や吹き出ものができやすい人に多いのは脂性肌です。

●インナードライのスキンケア

クレンジングはミルクタイプを。保湿が足りていないため、化粧水は3回しみこませて。コットンではなく、ゆっくりとハンドプレスで。そのあとに、軽めのクリームでふたをしましょう。シートパックもおすすめですが、15分以上は放置しないこと。終わったら必ずクリームを。
「べたつくのがいやだから…」とさっぱりタイプを使う人は水分不足となり、さらに皮脂分泌が過剰になるので、しっとりタイプの化粧品に切り替えましょう。

あなたは「一般的な乾燥肌」タイプ

●見分け方

肌のキメが細かいので、一見、普通肌に見えますが、洗顔後に肌がつっぱる人は乾燥肌。肌も表皮にも水分が足りていないタイプです。全体的に肌につやがなく、目じりや口元のシワも気になりがち。うるおいが足りないので、化粧ノリも悪くなります。
また、40代を過ぎるとコラーゲンやヒアルロン酸が減ってくるため、乾燥肌になる人がほとんど。加齢性乾燥肌の可能性もあります。

●一般的な乾燥肌のスキンケア

オイルクレンジングや導入のオイルセラムなど、オイル系の化粧品は控えましょう。保湿力の高い化粧水を3回、ハンドプレスでしみこませて。乳液よりもクリームでしっかり保湿を。セラミドが含まれているスキンケアがおすすめです。シートパックは15分以上は放置しないこと。終わったら必ずクリームを。
また、乾燥肌の人はリキッドタイプのファンデーションやクッションファンデを好む傾向がありますが、ブラシやスポンジの刺激でバリア機能が崩れやすくなるので、できればパウダータイプをやさしくはたく程度に。

あなたは「乾燥性敏感肌」タイプ

●見分け方

スキンケアに刺激を感じ、肌に赤みやかゆみがある場合は乾燥性敏感肌です。メイクをした後の肌がザラザラしていたら、角質層がめくれている可能性があります。すでに肌荒れを起こしている状態なので、早めに皮膚科を受診しましょう。

●一般的な乾燥肌のスキンケア

「何もつけない方がいい」「敏感肌用を使う」という人が多いかもしれませんが、日焼け止めは必ずつけましょう。これ以上紫外線刺激を受けないことが大切です。また、敏感肌用スキンケアは保湿力が足りないケースがあります。アルコールフリー、防腐剤フリーなど、肌に優しいタイプのスキンケアで、かつ保湿力が高いものを使いましょう。

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