2024.8.28(WED)

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【部位別】ガンコなシワの原因&対策を解説!
女医が教える対処法

年齢とともに深くなるおでこや眉間のシワ、笑った時に目尻にできる小ジワ、鼻横から伸びるほうれい線、デコルテについたシワのネックレス…。
そもそもシワができるのはなぜ?クリニックでの治療法とは?自宅でできるセルフケアは?若々しい顔・首を取り戻す方法を、産婦人科のクリニックで美容医療を担当する田邉晶先生に伺いました。

お話を伺ったのは

たなべ産婦人科 Scarlet 美容医療 
田邉 晶 先生

東京の大学病院にて研修後、小児科医として勤務。
現在はたなべ産婦人科で新生児・小児を担当しながら、美容医療も担当。
産後の母親を中心に、幅広い年代の女性たちに脱毛や美肌治療を提供。

※ヤーマンから依頼したコメントを掲載しています。

顔・首にできるシワは3種類

顔全体にできるちりめんジワ、笑うとあらわれる笑いジワ、顔がたるんであらわれるほうれい線にマリオネットライン…。こうしたシワは、なぜできるのでしょう?

田邊 先生

シワは『小ジワ』『表情ジワ』『大ジワの3種類に大別できます。それぞれに出やすい部位や原因、対処法などが異なるのです。わかりやすいよう、表にまとめてみますね。

小じわ 表情じわ 大じわ
具体例 ちりめんじわ・乾燥じわ
表皮性しわ
笑いじわ ちりめんじわ・乾燥じわ
表皮性しわ
出やすい部位 目元・口元 目元・口元 目元・口元
出やすい部位 乾燥・加齢・喫煙・摩擦・紫外線・食生活の乱れ・運動不足などによって、肌の代謝が落ち、ハリや潤いが失われる 表情筋を動かすことによって、肌にシワが刻まれる 骨・筋肉・脂肪が痩せ、肌のハリがなくなってたるみ、深いシワになる
小じわ
具体例
ちりめんじわ・乾燥じわ
表皮性しわ
出やすい部位
目元・口元
出やすい部位
乾燥・加齢・喫煙・摩擦・紫外線・食生活の乱れ・運動不足などによって、肌の代謝が落ち、ハリや潤いが失われる
表情じわ
具体例
ちりめんじわ・乾燥じわ
表皮性しわ
出やすい部位
目元・口元
出やすい部位
乾燥・加齢・喫煙・摩擦・紫外線・食生活の乱れ・運動不足などによって、肌の代謝が落ち、ハリや潤いが失われる
大じわ
具体例
ちりめんじわ・乾燥じわ
表皮性しわ
出やすい部位
目元・口元
出やすい部位
乾燥・加齢・喫煙・摩擦・紫外線・食生活の乱れ・運動不足などによって、肌の代謝が落ち、ハリや潤いが失われる
田邊 先生

肌は、外側から順に、表皮、真皮、皮下組織という層になっています。この表皮の層についた小さなシワが『小ジワ』。上手にセルフケアを続ければピンとした肌に戻すことも可能です。
一方、真皮の層にあるコラーゲンやエラスチンの減少によっておこるのが『大ジワ』。こちらは肌に深く刻まれて、なかなか消えません。『表情ジワ』も、表情のクセによって何度も同じところが折りたたまれると大ジワになります。

また、顔の部位によっても出やすいシワが異なります。部位別に見てみましょう。

顔のしわの種類

紫外線や乾燥、表情のクセなどによって大ジワが出やすい部位。あぶらとり紙の使い過ぎなどで皮脂を取りすぎると乾燥を招き、小ジワの原因にも

眉間

額と同様、紫外線や乾燥、表情のクセによって大ジワができやすい部位

目元・目の下

皮膚が薄く、皮脂が少ないため乾燥しがちで、ちりめんジワなどの小ジワが出やすい部位。眼精疲労によって血行が悪くなり、代謝低下によって大ジワになることも

口元

乾燥しがちで小ジワが出やすい部位。生活習慣や表情のクセ、口輪筋の衰えなどによって、ほうれい線や口角の両端から下に伸びるマリオネットラインなどの大ジワに

皮膚が薄く、乾燥しやすいばかりか、俯いてスマホを見続けたり、合わない枕を使い続けると繰り返し肌に溝が刻まれて、大ジワに

顔・首のシワの原因は?

シワができる原因はさまざまですが、予防のためにも改めて主な原因を確認しておきましょう。

肌の乾燥

ヒアルロン酸やセラミドといった肌内部の潤いを保つ成分が、加齢などによって減ってしまうと肌が乾燥し、ちりめんジワがあらわれます。バリア機能も低下するため、ダメージが蓄積して大ジワの原因になることも。

肌のハリ・弾力の低下

ヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチンなど、肌の弾力のもととなる成分が、加齢などによって減ると肌のハリが失われ、たるみやシワにつながります。

紫外線ダメージ(光老化)

紫外線を浴びることで、肌内部のコラーゲンやエラスチンが破壊され、肌の弾力が失われ、たるみやシワのリスクになります。

生活習慣

・喫煙:ビタミンCを大量に消費し、血流を悪化させて代謝を下げます。
・摩擦:マッサージなどで肌をこするとダメージとなって蓄積します。
・代謝低下:乱れた食習慣や運動不足が続くと、細胞の新陳代謝が低下します。

クリニックでシワを取る治療法

すでにできたシワを改善するには、クリニックで治療を受けるのが近道。シワの種類ごとにさまざまな治療法があります。

小じわ 表情じわ 大じわ
治療法
  • ・ケミカルピーリング
  • ・レーザー治療
  • ・抗シワ外用薬
  • ・ボトックス注射
  • ・フェイスリフト
  • ・スレッドリフト
  • ・ヒアルロン酸注射
  • ・HIFU
  • ・RF
  • ・PRP療法
小じわ
治療法
  • ・ケミカルピーリング
  • ・レーザー治療
  • ・抗シワ外用薬
表情じわ
治療法
  • ・ボトックス注射
大じわ
治療法
  • ・フェイスリフト
  • ・スレッドリフト
  • ・ヒアルロン酸注射
  • ・HIFU
  • ・RF
  • ・PRP療法

ケミカルピーリング

酸性の薬剤を顔全体に塗布し、肌の古い角質を取り除き、肌のターンオーバーを活性化する治療法。新しい角層が生まれ、肌のハリやくすみが改善できる。施術後はわずかにピリピリとした刺激があるが、次第におさまる。

レーザー治療

レーザーを照射することによって肌の奥からシワを改善する治療。肌内部の弾力成分を生み出すもの、肌の新陳代謝を高めるものなど、さまざまな種類がある。小ジワやたるみ・毛穴の開きなどの改善に効果が期待できるものが多い。

抗シワ外用薬

「レチノール」や「トレチノイン」などが含まれたシワを改善する医薬部外品を使う方法。レチノール成分を使うとピリピリとした刺激を感じることも。肌が弱っている時は使用しないように注意して。また、継続する場合も必ず医師と相談を。

ボトックス注射

ボツリヌス菌が作り出す毒素を含む筋弛緩作用のある薬を、緊張した筋肉の部位に注射する治療法。シワができにくくなり、筋肉量が減る効果がある。最大で3〜4ヶ月ほど持続する。ただし、投与後は、月経が2回終わるまでは避妊する必要がある。

フェイスリフト

皮膚を切開し、筋膜をはがしながら後ろに引き上げ、余った皮膚を切り取る施術。術後は、強い腫れが2~4週間ほど続き、完全に腫れがなくなるまでには数か月かかる。

スレッドリフト

専用の糸を顔の中央部までダイレクトに通し引っ張る施術。いわば“切らないフェイスリフト”。有効期間は半年程度。効果を得るには、糸を一本ではなく複数本いれる必要がある。

ヒアルロン酸注射

体内にも存在する成分であるヒアルロン酸を注入し、くぼんだ皮膚を膨らませ、ほうれい線やシワなどを改善する。シワ治療の分野では最もポピュラーな方法。

HIFU(ハイフ/高密度焦点式超音波)

超音波で真皮層から表在性筋膜層を熱エネルギーで破壊することで、顔全体を引き上げる施術。持続期間は6か月~1年程度。こちらも手術や注入ではないので体内から副反応が出ないのがメリット。

RF(高周波:Radio Frequency)

高周波で真皮層から皮下脂肪浅層を熱エネルギーで破壊することで、顔全体を引き上げる施術。持続期間は3か月~1年程度。外科手術や注入剤ほどの劇的な効果はないが、体内から副反応が出ないというメリットがある。

多化粧板血漿(PRP)療法

患者自身の血液から血漿を採取し、患部へ注入する施術。血小板から生まれるサイトカインがしわやたるみを改善すると期待されているが、改善効果は50%未満と考えられている。

シワを予防するセルフケア

田邊 先生

深く刻まれた大ジワの解消は難しくても、小ジワなら日頃からのケアで改善できます。自宅でできるセルフケアや予防法としては、主に2つあります。一つはシワを目立たなくするスキンケアコスメを使うこと。もう一つは、保湿とUVケアを徹底することです。

シワを目立たなくする化粧品を使う

肌のハリや弾力を保つ成分であるコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などに着目したスキンケアアイテムを取り入れるのが効果的。たとえば、以下の3つはシワに有効とされます。

・「レチノール」配合化粧品

皮膚に外用するとレチノイン酸に変わり、細胞内のヒアルロン酸を生み出すはたらきをサポート。水分含有量を増やし、皮膚をやわらかく保つ。

・「ナイアシナミド」配合化粧品

ビタミンB3の一種。化粧品の場合は、“ナイアシンアミド”、医薬部外品の場合は“ニコチン酸アミド”と表記される。皮脂の分泌をおさえ、角層のバリア機能を高めることで乾燥による小じわを改善。真皮のコラーゲンを増やし、肌のハリをよみがえらせる。

・「ニールワン」配合化粧品

ニールワン(NEI-L1)とは、2016年にシワ改善効果で承認された医薬部外品の有効成分で、コラーゲンやエラスチンを分解する好中球エラスターゼのはたらきを阻害してシワを改善する。

保湿と紫外線カットを徹底する

健康な肌は、内部にたっぷりと水分が満ち、新陳代謝も活発で、バリア機能も正常な状態。保湿をする際は、化粧水をたっぷりと手のひらやコットンにとり、肌の中にじっくりと行き渡らせて。保湿効果のある美顔器やスチーマーを使うのも選択肢の一つ。
また、紫外線による光老化を防ぐためにも、晴れの日はもちろん、曇りや雨の日でもUVケアを忘れずに。逆に、顔のシワを伸ばしたり、むくみをとったりするマッサージは、かえって肌を摩擦してダメージになる恐れがあるのでご用心を。
栄養のある食べ物をきちんととるバランスの良い食事や質の良い睡眠も、細胞の新陳代謝を促し、シワの予防に効果的です。
大ジワはクリニックに頼りつつ、小じわはセルフケアでコツコツと退治して、いつまでも若々しい顔で過ごしましょう。

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