口元のたるみやほうれい線を解消したい!
医師に聞く原因と治療法
CONTENTS
- 口元に“たるみ”ができる原因は?
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ホームケアは『肌・筋肉』の2方向から攻める
- 肌のハリ・弾力をとりもどすスキンケア
- 口元をキュッと引き締める口輪筋ケア
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クリニックで口元の“たるみ”を取る治療法
- フェイスリフト(手術)
- スレッドリフト(手術)
- ヒアルロン酸注射
- RF(高周波:Radio Frequency)
- HIFU(ハイフ/高密度焦点式超音波)
- 多化粧板血漿(PRP)療法
年齢を重ねるたびに深く刻まれるほうれい線(法令線)、メイクでは隠しきれない不機嫌そうな「への字口」、
ぼんやりとしたフェイスライン…。一刻も早く引き締めたいけれど、思うように解消できず悩んでいる人も多いようです。
そもそも口元がたるむのはなぜ? クリニックでの治療法って? たるむ前に食い止める予防方法は? 産婦人科のクリニックで美容医療を担当する田邉晶先生に伺いました。
たなべ産婦人科 Scarlet 美容医療
田邉 晶 先生
東京の大学病院にて研修後、小児科医として勤務。
現在はたなべ産婦人科で新生児・小児を担当しながら、美容医療も担当。
産後の母親を中心に、幅広い年代の女性たちに脱毛や美肌治療を提供。
※ヤーマンから依頼したコメントを掲載しています。
口元に“たるみ”ができる原因は?
加齢などによって、顔全体がゆるみ、下がってきてしまう“たるみ”。顔がたるんでいると、ほうれい線などのシワができたり、顔が大きく見えたり、たるみ毛穴が目立ったり…と老けた印象を与えます。
とくに口元がたるむと、次のような症状が見られます。
ほうれい線(法令線)
鼻の横から口角の両脇がたるみ、シワができた状態
マリオネットライン
口の両端からアゴにかけてたるみ、縦にシワが入っている状態
二重アゴ
下アゴから首に脂肪がつき、たれている状態
これらは見た目こそ違いますが、たるんでいくまでのメカニズムはほぼ同じなんだとか。
たるみは、加齢などによって、骨・筋肉・肌が変化することで起こります。年を重ねると『骨』が痩せ、土台としての役割を果たせなくなります。さらに、運動不足で『筋肉』が衰えると、顔全体を支えきれなくなります。同時に、『肌』からハリや弾力が失われると、やはり顔を支えきれません。こうした状態が重なって、雪崩(なだれ)のように落ちてきた状態が、たるみなのです。
ホームケアは『肌・筋肉』の2方向から攻める
口元だけに限らず、どんな場所のたるみも、ケアするときは『肌』と『筋肉』にアプローチを。気長にケアをすることで緩和できたり、新たなたるみを予防することも可能です。ぜひ自宅で今夜から取り組んでみてください。
肌のハリ・弾力をとりもどすスキンケア
たるみ改善には、肌の弾力を取り戻すスキンケアが不可欠。肌のハリや弾力を保つ成分であるコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などに着目した化粧水や美容液、化粧品などを取り入れるのが効果的です。
また、肌のバリア機能を整えるには、保湿ケアも大切なポイント。化粧水をつけるときは、たっぷりとした量を手のひらにとり、肌全体に水分が行き渡るまでじっくりと手で肌を包んで待ちます。
保湿をする際は、美顔器やスチーマーを使うのも効果的。パシャパシャと手のひらで肌を叩いたり、コットンでこするのはダメージの元になるため避けましょう。
口元をキュッと引き締める口輪筋ケア
肌のハリが戻っても、表情筋が衰えていると皮膚を支えきれず、顔がたるんでしまう原因に。
とくに口元のたるみの場合は、口の周りを囲む“口輪筋(こうりんきん)”を日頃からよく動かすのがポイント。『あー』『うー』と発音して唇を動かしたり、日頃から口をしっかり開けて話したり、よく笑ったりすることが良い運動になり、顔全体の引き締めにも効果的です。
舌を使って、口の内側からほうれい線をギュッと押しあげるのも有効。舌の筋肉も使えて一石二鳥です。
逆に、顔のむくみを取るマッサージや、過度な表情筋トレーニング、顔を指で引っ張ったり伸ばしたりするとたるみやシワが悪化することも…。やりすぎにはご注意を。
クリニックで口元の“たるみ”を取る治療法
セルフケアでの改善に限界を感じたら、美容クリニックで治療を受けるのも選択肢の一つ。どんな治療法があるのでしょう?
体にメスを入れる形の大きな整形手術から、注入治療、医療機器を使用した照射治療などさまざまです。
以下に、主な治療法を紹介しましょう。
フェイスリフト(手術)
皮膚を切開し、筋膜をはがしながら後ろに引き上げ、余った皮膚を切り取る施術。術後は、強い腫れが2~4週間ほど続き、完全に腫れがなくなるまでには数か月かかる。
スレッドリフト(手術)
専用の糸を顔の中央部までダイレクトに通し引っ張る施術。いわば“切らないフェイスリフト”。有効期間は半年程度。効果を得るには、糸を一本ではなく複数本いれる必要がある。
ヒアルロン酸注射
体内にも存在する成分であるヒアルロン酸を注入し、くぼんだ皮膚を膨らませ、ほうれい線やシワなどを改善する施術。シワ治療の分野では最もポピュラーな方法。
RF(高周波:Radio Frequency)
高周波で真皮層から皮下脂肪浅層を熱エネルギーで破壊することで、顔全体を引き上げる施術。持続期間は3か月~1年程度。外科手術や注入剤ほどの劇的な効果はないが、体内から副反応が出ないというメリットがある。
HIFU(ハイフ/高密度焦点式超音波)
超音波で真皮層から表在性筋膜層を熱エネルギーで破壊することで、顔全体を引き上げる施術。持続期間は6か月~1年程度。手術や注入ではないので体内から副反応が出ないのがメリット。
多化粧板血漿(PRP)療法
患者自身の血液から血漿を採取し、患部へ注入する施術。血小板から生まれるサイトカインがしわやたるみを改善すると期待されているが、改善効果は50%未満と考えられている。
劇的な効果が見込めるものほどリスクも大きくなり、もしも高額な治療をしたとしても普段のケアを怠れば効果を長く維持できません。日常のセルフケアを基本として、肌に負担がないものから始めていくのが良いと思います。
あとで後悔しないためにも、治療法選びは慎重に。また、加齢のほかにも、肌の乾燥や紫外線、喫煙、運動不足、栄養不足、猫背など姿勢が悪い、スマホを長時間見るといった習慣のある人は顔全体がゆるみがち。
日頃から肌の保湿とUVケア、適度な表情筋のエクササイズ、体の代謝UPなどを心がけながら、重力に負けない口元を目指しましょう。
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