2024.8.27(TUE)

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加齢とともに目の下がふくらんできたり、垂れた部分がシワになったり…。
セルフケアで消えたらいいけど、なかなか改善しないことに悩む女性も多いようです。
目の下がたるむのはなぜ?クリニックでのたるみとりの治療法とは?たるむ前に食い止める予防のケアは?産婦人科のクリニックで美容医療を担当する田邉晶先生に伺いました。

お話を伺ったのは

たなべ産婦人科 Scarlet 美容医療 
田邉 晶 先生

東京の大学病院にて研修後、小児科医として勤務。
現在はたなべ産婦人科で新生児・小児を担当しながら、美容医療も担当。
産後の母親を中心に、幅広い年代の女性たちに脱毛や美肌治療を提供。

※ヤーマンから依頼したコメントを掲載しています。

目の下に“たるみ”ができる原因は?

口元やおでこ、頬など、年齢を重ねるごとに顔のさまざまなところが下がってしまう”たるみ”。
とくに目の下は、ぷっくりと盛り上がって垂れ下がり、コンシーラーでは隠しきれないことも…。目の下のたるみは何が原因なのでしょう?

田邊 先生

加齢や運動不足によって目の周りを取りまいている『眼輪筋という筋肉が衰えると、目の奥にある脂肪体が前に出てきやすくなってしまうんです。それが、ふくらんで見える部分の正体。
その脂肪体が皮膚ごと垂れさがることで目の下がたるむのです。

黒クマの発生メカニズム

目の下のたるみは、できる場所が近いことからクマと混同される場合も。

田邊 先生

くまは皮膚の色が青っぽく、もしくは茶色っぽく変色して見える状態。
一方、たるみは皮膚の形が物理的に変化した状態を指すため、まったくの別物で、改善方法も異なります。ただ、たるみによって影がおち、目の下が黒っぽく見える『たるみクマ』もあり、それに関してはたるみを治すことで改善できます

クリニックで目の下の“たるみ”を取る治療法

一度できてしまったたるみは、なかなかホームケアでは改善できないことも。そんな場合は美容クリニックでたるみ取りの治療をするのも一つの手段です。

田邊 先生

目の下のたるみ治療には、手術、注入治療、医療機器を使用した照射治療など、さまざまな方法があります。ただし、どんな治療も長所と短所がつきものなので、医師とよく話し合い、リスクを確認した上で受けてくださいね。

脂肪体除去手術

下のまぶたの裏側をわずかに切開し、余分に出てきている目の下の脂肪を除去する手術のこと。重度のたるみにも効果が見られ、術後の状態を長く維持できるというメリットも。
ただし、脂肪を除去しすぎると、くぼんでしまったりクマが強調されたりして、かえって不健康に見えることも…。しっかりと医師の説明を受けてから臨みましょう。

ヒアルロン酸注入

眼窩の骨が痩せていたり、皮下脂肪の減っていたりする部分にヒアルロン酸を注入してくぼみを補う方法。手術よりも負担が少なく、短期間での改善も見こめます。ただし、ヒアルロン酸は体内に吸収されるため、維持には定期的な注入が必要。

ヒアルロン酸注入

ポピュラーな治療法ではあるものの、目元の動脈にヒアルロン酸が入ってしまうと失明するリスクも。受ける場合は医院選びを慎重に。

レーザー照射

肌にレーザー光を当てることによって新陳代謝を活発にし、肌のハリや弾力をよみがえらせてたるみを緩和する治療法。切開したり注入したりする治療法に比べれば、劇的な変化はない分、リスクは少なめ。とはいえ、飲んでいる薬によっては光過敏を起こす恐れもあるので、医師とよく相談を。
まずは安全性やリスクをしっかりとチェックし、自分にあった治療法を選びましょう。

たるみを予防するセルフケア

一度たるみはじめたら、なかなかセルフケアでは改善できない目の下のたるみ。できることなら、たるむ前に食い止めたいもの。一体何からすべきでしょう?

田邊 先生

まず、目の下のたるみだけに限らず、すべてのたるみは『外側(肌)』と『内側(肌の内側:筋肉や骨など)』に原因があります。つまり、肌のケアをしただけでは不十分なのです。
そこで、ピンと張りのある皮膚を保つためのケアと、肌を支える土台である筋肉のケアという2方向からのアプローチが重要です。

ハリ・弾力のある肌をつくるスキンケア

田邊 先生

肌のハリや弾力を保つには、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などに着目したスキンケアアイテムを取り入れましょう。最近は、メイクをしながらハリや弾力のケアができる化粧品を扱っている医療機関もありますから、これらを使うのも手です。

保湿は、化粧水を手のひらやコットンにたっぷりとだし、時間をかけて水分を肌に行き渡らせて。美顔器やスチーマーを使うのも効果的です

スチーマー

逆に、気をつけたいのは肌への摩擦。

眼輪筋を鍛えるエクササイズ

田邊 先生

眼輪筋をはじめ、目の周りの筋肉はたくさんありますが、日頃からよく動かしておくことが大切。スマホを長時間見ているとまばたきを忘れがちになり、筋肉が徐々に衰えてしまいます。
こまめにぱちぱちとまばたきをしたり、眼球を上下左右に動かす運動をするのも効果的です。

ほか、ホットタオルで目をあたためて血流を良くすると筋肉がやわらかくなり、代謝も上がってたるみ予防に。同時にクマの解消にもつながります。

田邊 先生

逆に、過度な顔のマッサージは肌に負担がかかり、かえって新たなたるみやシワの原因になるなど逆効果。喫煙や日焼け、食生活の乱れ、過度なダイエットなども体の新陳代謝を低下させ、ゆくゆくは顔全体のたるみにつながるため避けましょう。

目の下のたるみ予防に大切なのは、ハリのある元気な肌を保ち、目の筋肉を日頃からよく使い、体の代謝を下げないように心がけること。これらを意識して、いつまでもなめらかに引き締まった若々しい目元で過ごしましょう。

YA-MAN Beauty-Plus
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