うねる・広がる・ぺたんこ…梅雨を乗りきるクセ毛対策、美容師に聞くホームケア&サロンケア

2024.6.20(Thu)

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雨が降ると、うねったり、広がったり、
ぺたんこになったりして、扱いづらくなる私たちの髪。
なぜ、梅雨になると髪の悩みが増えるんでしょう?
自宅でできる効果的なホームケアって?
サロンでの梅雨対策にはどんなメニューがあるの?
雨の日もツヤツヤ&サラサラの美髪で過ごすための
ケア方法をご紹介します。

うねる・広がる・ぺたんこ…梅雨を乗りきるクセ毛対策、
美容師に聞くホームケア&サロンケア

CONTENTS

  1. 95%の人が梅雨の髪に悩んでいる!?
  2. 梅雨の髪”あるある”お悩みQ&A
    • 梅雨時期のヘアケアアイテム、どんなものを使えばいい?
    • 梅雨で湿気が多いはずなのに、髪が乾燥してパサパサ…。
    • 髪の広がりを抑えるには、夜シャン・朝シャンどっちがいい?
  3. 梅雨のホームケア5ステップ
  4. サロンでできる梅雨の髪対策

お話を伺ったのは…

大川弘輝さん
美容室/MAEUL代表 トップスタイリスト

1994年生まれ。東京・名古屋の超有名店のマネージャー兼トップスタイリストを経て2023年6月MAEULを名古屋市栄にオープン。 似合わせ技術とヘアケア知識で大人女性の美髪を叶え、40、50代の顧客を数多く抱える。カウンセリングでお客様のお悩みを引き出し、必ず美髪に導く分析力でセミナー講師の依頼も数多く受ける。

CONTENTS 01

95%の人が梅雨の髪に悩んでいる!?

雨の日は髪がふくらんでまとまらない、スタイリングが決まらない…。梅雨シーズンになると髪の悩みがぞくぞく。マクロミルの調査 によれば、最も多いのが「くせ・うねり」(45.2%)、次点で「広がり」(26.5%)、「ペタンコになる」(9.3%)と続き、なんと約95%の人が悩んでいるという結果が明らかに。

※調査方法:マクロミル「ミルトーク」による「梅雨の時期、髪のお悩みはありますか?」自由回答をもとに集計/期間:2022年4月6~13日/対象:全国10代~80代の675名 株式会社マクロミル調べ

そもそも、梅雨時期になると、髪の悩みが増えるのはなぜでしょうか。
「髪の毛は、内部のアミノ酸同士が結合してその形になっています。ただ、この結合は水分を吸うとはずれ、水分が乾くと再び結合するようにできています。つまり、水を吸うことで髪本来のクセが出てきてしまうんです」(大川さん)
これが雨の日に髪がまとまらない大きな理由なのだそう。

「とくにダメージのある髪は、表面のキューティクルが開いてしまっていたり、髪の中に空洞があったりして、水を吸いやすい。すると、吸った部分にクセが出て、曲がったりうねったり、まとまらなくなったりしてボサボサになるんです」(大川さん)
逆に、ダメージのない髪であれば大気中の余分な水分を吸いこまず、ウネる・広がるといったクセが出にくくなるというわけ。
「だから、梅雨のホームケアで最も力を入れたいのは『ダメージケア』。髪内部に栄養をしっかり入れてダメージを補修すると、内側の水分バランスも整い、キューティクルもしっかりと閉じます。雨の日でもまとまりやすいきれいな髪に変わっていきますよ」(大川さん)

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梅雨の髪“あるある”お悩みQ&A

梅雨時期のヘアケアアイテム、
どんなものを使えばいい?
「これ!」と具体的に答えたいところですが、髪やクセは十人十色。スキンケアでもその人に合った化粧水や乳液が人によって違うように、シャンプーやトリートメントも髪質やクセによって合うものは異なります。
自分に合わないものを使い続けるのはもったいないこと。カウンセリングを受けるつもりで信頼できる美容師さんに相談してから選ぶのが一番です。
梅雨で湿気が多いはずなのに、
髪が乾燥してパサパサ…。
オイルも塗っているのにどうして?
これもよく聞くお悩みなのですが、実は乾燥ではなく、湿気によってクセが出て、髪がバラバラの方向を向いてしまい、パサパサになったと感じているのです。問題は、髪の中に余計な水分が入りこみやすい髪になっていること。ぜひ、ダメージケアに注力してみてください。
髪の広がりを抑えるには、
夜シャン・朝シャンどっちがいい?
夜シャンです。シャンプーで洗って流れた皮脂が回復するまでには6時間ほどかかるといわれ、夜シャンなら寝ている間に回復しますが、朝シャンだと皮脂が少ないまま活動することになるため、髪へのダメージがやや心配。
朝にシャワーを浴びる場合はシャンプーを使わず余洗いにとどめ、毛先にトリートメントを軽くつける程度にするのがオススメです。

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梅雨のホームケア5ステップ

さっそく今夜から始めたい梅雨に向けたホームケア。
バスタイムに行うシャンプーやトリートメントをはじめ、湯上がり後のアウトバスのケア、ドライヤーによる乾かし方、ヘアアレンジやアイロンによるスタイリングまで、それぞれのステップごとに具体的なポイントを聞きました。

  • ■ STEP 01 ■
    シャンプーはモコモコに泡立てて!

    「最近のシャンプーは汚れを落とすだけでなく、同時に栄養補給ができるものもたくさん出ていますから、そうしたものを使うのも効果的なホームケアのポイントです」(大川さん)
    例えば、CMCという成分が入っているシャンプーは、髪の内部に通り道を作って栄養を届けられるのだそう。
    「こうしたシャンプーを使う場合は、洗顔をするときと同じくらい空気をふくませながらしっかりと泡立てます。そして、頭皮から毛先まで、すみずみに泡を乗せましょう。こうすることでしっかり洗えるのはもちろん、髪に栄養を行きわたらせることができます」(大川さん)

    髪をスポンジ代わりにするイメージでしっかり泡立てる。
    泡立ちが悪いときは一度洗い流してから再度シャンプーを。

  • ■ STEP 02 ■
    トリートメントは毛束を手でプレス

    トリートメントをつける際も、カンタンな工夫によって効果が倍増すると大川さん。
    「トリートメントを手に出したら、髪の根本からではなく、毛先から頭頂部に向けて少しずつ伸ばしていくのがポイント。こうすることでムラなく、確実につけることができるんです」(大川さん)

    「最後に、毛束をギュッと握ってトリートメント成分を物理的に押しこむと、有効成分が浸透しやすくなります。この方法でケアをしていると、目に見えて髪の手触りが変わるので、ぜひお試しを」(大川さん)
    プラスαとして、超音波の力でトリートメント成分を浸透させるアイロンを使うのも効果的だそうです。

  • ■ STEP 03 ■
    湯上がりはミルクとオイルでケア

    お風呂からあがった後は、なるべく早く髪を乾かすのがベスト。
    「まずはタオルでしっかりと水気をとりましょう。濡れている髪はキューティクルが開いているので、ゴシゴシと摩擦せずに、タオルで包んで絞るように握るのがコツです」
    続いて、ミルクやオイルといったアウトバストリートメントを使い、髪にさらなる栄養をチャージします。
    「ミルクなら手のひらによく伸ばし、髪全体にまんべんなくつけてください。その後、オイルを全体になじませて髪の表面をコーティングし、栄養を閉じ込めた状態でドライヤーをあて、よく乾かしましょう」(大川さん)

  • ■ STEP 04 ■
    ドライヤーの風向きは後ろから前へ

    実は、ドライヤーもツヤ髪づくりの強い味方。”風の向き”を意識することでまとまりやすい髪になるのだそう。
    「ドライヤーというと前から風を当てている人が多いと思うのですが、正しくは後ろから。前から当てるとどうしても後ろでバラバラになり、広がってしまうんです」

    「後ろから風を当てながら、手ぐしで整えながら乾かしてください。だいたい乾いたら、クシを使ってツヤを出し、仕上げに冷風をかければ完了。水分を飛ばすことでキューティクルもちゃんと閉じます」(大川さん)
    ちなみに、髪の毛は熱い状態から冷やすことによって形を長くキープできます。ドライヤーの冷風は、きれいに整えたあとの髪に当てるのがポイントです。

  • ■ STEP 05 ■
    ヘアアレンジで梅雨を乗り切る

    結べる長さがあるなら、ハーフアップやひとつ結びで、うねる髪・広がる髪をまとめてしまうのも選択肢の一つ。
    「シンプルな一つ結びでも、結ぶ位置によってニュアンスを変えられます。下で結ぶほど落ち着いた印象になり、上になるほど活発なニュアンスになります。仕上げに、トップやサイドの毛束を軽くつまんで凸凹にし、立体感を出すことで今っぽいアレンジに」(大川さん)

    前髪や全体の髪が湿気でペタンコになる人は、パーマをかけるのもテ。毎朝のスタイリングにかかる時間が短くなってグッと楽になります。
    また、ヘアアイロンを使う場合は、先にドライヤーの風を当てておくと髪の湿気をとりのぞき、うねる・広がる髪がツルンとまとまりやすくなります。
    「ダメージケアの観点からは、アイロンの温度は140度〜160度と低めに設定を。慣れていて一発でサラッとまっすぐにできる人なら180度くらいでも大丈夫。巻き髪をするときも同様です」(大川さん)
    アイロンのあて方にも、ちょっとしたコツがあります。

    「毛先だけ曲げるとカールが取れやすくなるので、生え際に近い髪の根本のあたりからスタートして、毛先に向かって全体的に曲げるのがポイント。こうすれば、ツルンとまとまった状態を長時間キープできます」(大川さん)

CONTENTS 04

サロンでできる梅雨の髪対策

ホームケアでは追いつかない、自力で改善するには限界がある…と思ったら、やはり頼るべきはサロン。
「梅雨対策で最も効果的なメニューは、やっぱり『縮毛矯正』。これは、くせ毛を直毛に変えて固定する技術のことで、施術した箇所は半永久的にストレートの状態を保てます」(大川さん)
そのぶん施術が高額で、髪への負担も大きいため、自宅でのダメージケアも欠かせません。
「一方、よりお手頃な価格で受けられるのが『髪質改善トリートメント』。ダメージのある髪内部の空洞を埋め、クセを軽減する施術です。その一種として『酸熱トリートメント』もあります。いずれも、維持できる期間は1ヶ月〜数ヶ月ほど。梅雨の期間はこれらで乗り切る人も多いですよ」(大川さん)
大川さん曰く、こうしたサロンケアを定期的に行い、自分に合ったアイテムでホームケアを続けることで、髪の状態は確実に上向いていくとか。
スキンケアと同じ感覚で、ぜひ日々のヘアケアを見直して、梅雨シーズンもうるおいに満ちた美髪で過ごしましょう。

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