夜のヘアケア「夜アイロン」のススメ

2024.5.22(WED)

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皆さんは「夜」のヘアケアに
ヘアアイロンを使⽤したことはありますか?
ヘアアイロンといえば朝、
ほとんどの方がそう思われていると思います。
実は調査*によると、夜のうちにヘアアイロンで
クセを伸ばす人は約2割。
その日のうちのリセットケア、翌朝の寝ぐせ対策として
一定数取り入れられていることが分かっています。
今回は巷で話題の「夜にヘアアイロンを使う」
という新習慣について、
現役美容師の方の解説とともに掘り下げていきます。
それでは詳しく見ていきましょう。

*出典:ヤーマン株式会社「ヘアケアに関する調査」
調査手法:インターネットリサーチ
調査期間:2024年3月15日~3月21日
対象者:全国20-50代女性のうち、髪悩みあり・ヘアケア関心層(n=552)

お話を伺ったのは…

air池袋中村 有佑さん

西武池袋本店内「air池袋」の店長。上質で再現性の高いヘアデザインを得意とし、全国airスタイリストの中でも、トップクラスの人気を誇る。

CONTENTS 01

「夜アイロン」とは

「夜アイロン」とは、寝る前にヘアオイルやヘアミルクを使用した後でヘアアイロンを使って髪に熱を加えることで、髪を補修し、スタイリングする特別な⽅法です。
これは、ヘアケアに使うヘアオイルやヘアミルクの髪の補修成分を浸透させ、髪を滑らかで輝くものにする効果があります。洗髪後のヘアドライの後にこのステップを追加することで、より美しい、健康的な髪を⼿に⼊れることができます。

ダメージを受けた髪でうねりやクセが取れずに困っている⽅や、常にキレイなストレート髪を⽬指している⽅、数か⽉に⼀度ヘアサロンで縮⽑矯正が必須になっている⽅々に特におすすめのケアです。「夜アイロン」は、様々な髪質やスタイルに適⽤できるので、あなたのヘアケア習慣に新たな要素を追加して、その効果をご⾃⾝で確認してみてください。
夜にヘアアイロンを使い髪を整えることで、髪がよりきれいに⾒える効果があります。熱を加えることで髪のキューティクルが整い、髪がなめらかになります。さらに、ヘアケア剤の補修成分が浸透することでしっとりとした仕上がりになります。しっかりと補修された髪はツヤもアップし、まるでサロンでトリートメントを受けたかのような仕上がりです。髪がきれいに⾒えるだけでなく、⼿触りもよくなります。

CONTENTS 02

なぜ夜のヘアケアが大事なのか

ヘアケアはしている方は多いと思いますが、なぜ夜のうちにすべきか、その意義を意識している方はまだまだ少ないのではないでしょうか。ここでは習慣化されている美容ケアの代表例・スキンケアと対比しながら、夜のヘアケアの重要性を深掘っていきます。
皆さん、スキンケアにおいては日中受けたダメージケアは習慣化しており、肌の「違和感を放置しない」という意識はかなり高いと思います。
例えば、肌の乾燥を感じたらクリームで蓋をしてフィニッシュ、紫外線を浴びたら鎮静ケアのように、メイクをしたら落としてから寝るといったものです。肌にはヒリつき・かゆみなど「感覚」で気付く違和感と、赤みや吹出物など「見た目」で分かる違和感があるため、ケアをしてから寝なければという意識が高いものと考えられます。一方髪はどうでしょうか。

もちろんシャンプーとトリートメントなどインバスでのケアはしている方が多いと思いますが、アウトバスではドライヤーで乾かして終了という方も多いのではないでしょうか。肌と違い髪は「死んだ細胞」と言われているため感覚がありません。また1本1本というより集合体として「面」で捉えることが多いと思います。外出をしていれば紫外線・風・ブラッシングなどダメージの原因となる外敵要因は沢山あるはずなのに、死んだ細胞がゆえに、髪は“違和感”に気付きくいという特性があります。知らぬうちにダメージが蓄積してしまい、気付いたときには「指通りが悪くなっている」「うねりやすくなった」「広がってまとまらない」など髪トラブルに発展してしまいます。死んだ細胞だからこそ髪は肌以上に自らが率先して意識を向けて「いたわるケア」をすべきだと言えますね。
1日の終わりに化粧品を塗布して締めくくる、ダメージの補修ケアをしてから寝るといったフィニッシングのケアに目を向けられると、よりよい夜のヘアケアが可能になります。

SALON’S COMMENT

私の美容室にいらっしゃるお客さまの中には、美容クリニックに定期的に通われ、肌にはおしみなく投資する方がたくさんいらっしゃいます。しかし、髪に関してはそこそこのケアや、髪の状態が変わってもずっと同じケアで満足してしまう方も少なくありません。そのような状況を見て、「なぜみんな肌にはお金をかけるのに髪はそこまでなのだろう」と思うことがあります。肌より占める面積が大きい「髪」は人の印象を決める重要なパーツだと考えています。毎日の積み重ねで髪は変わるので、肌と同じように、夜のヘアケアに積極的になってみてほしいですね。

CONTENTS 03

ヘアケアをして目指したい
「理想的な髪の状態」とは?

ヘアケアの意義は分かったけど何から始めればいい、どんな髪の状態を目指せばいいのかと疑問に思う方もいらっしゃると思います。
そこで、目指したい理想的な髪の状態=美髪について定義し、そのためにどんなケアが必要かを紐解いていきましょう。

≪ ヤーマンが考える美髪の条件 ≫

  • まっすぐな毛髪
  • 面で整っている
  • 質感が柔らかい

①について、ねじれやうねりがない状態を指しますが、こうなるために大事なのは毛髪1本1本の状態に着目する必要があります。髪は肌と同じように水分と油分で成り立っており、キューティクルが閉じていることでそのバランスを保っています。紫外線などの外敵要因やヘアアイロン・ドライヤーなどの熱ダメージといった生活習慣により、キューティクルが開いてきてしまうと水分と油分のバランスが崩れ、まずは表面の油分が流出。膜がなくなるイメージなので、守っていた毛髪内部のものも流出していき空洞化。空洞を埋めるために外から余計な水分を取り入れやすくなり、うねりやまとまりにくさへとつながります。1本1本がそうなると毛流れも整いにくく全体の髪印象にも影響を与えます。キューティクルが閉じた状態を目指すには、上述した化粧品でのフィニッシングケアはもちろん、そもそもダメージを与えないよう熱や摩擦をなるべく抑えた生活を心がけがけることも重要です。
①だけでも十分ですが、②を意識することで、面で光を捉えて反射するため見た目にも美しいツヤ髪を目指すことができます。面を整えるにはヘアアイロンでのプレスと熱の力に頼ることが手っ取り早いので、ダメージには気を付けながら取り入れるのがおすすめです。
さらに指通りや手触りといった③質感に目を向けることで、全方位から美髪が叶えられます。枝毛や切れ毛があると質感に大きく影響するため、毛髪1本1本へのダメージ補修は欠かせません。

SALON’S COMMENT

面を整えることによるメリットは髪が綺麗に見えることだけではありません。光を面で反射することで、レフ版のイメージで顔にもツヤが届き、顔印象まで明るくなることが期待できます。この記事を見ている美意識の高い方々には嬉しい効果ですよね。面を整えるにはヘアアイロンをうまく使いこなすのがポイントです。後ほど解説します。

CONTENTS 04

「夜にヘアアイロンをすること」の
メリットと注意点

  • 夜寝る前にヘアケアをするメリットはたくさんあります。
    日中うけた紫外線や乾燥などの髪ダメージをその日のうちにケアをすることでダメージの蓄積を防ぎます。髪は肌のように紫外線ダメージによるピリピリ感やほてりといった違和感や、乾燥や加齢によるシミ・シワといった見た目の変化を感じにくいためケアは後回しになりがちです。
    健康な髪の毛を手に入れるためにはスキンケアと同じように毎日のケアを習慣化することが大切なのです。その点で、夜、入浴後のヘアドライのついでに「夜アイロン」をすることは習慣化しやすいでしょう。

  • さらに、夜のアイロンは朝の⽀度時間短縮にもつながります。寝る前にスタイリングすれば、朝のうねりや寝グセを整える時間が短くなります。さっと整えるだけでまとまるようになるので、何かと忙しい朝にはうれしいですよね。
    つまり、「夜アイロン」を習慣化することで寝る前に補修成分を仕込み、翌朝扱いやすい髪を作る、そして美髪サイクルを構築することができるのです。

  • 夜にヘアアイロンをするならダメージを抑えながらでなければ意味がないということです。夜髪が整っていても、ヘアアイロンを通す行為で毛髪にダメージを与えてしまっては、次第に素髪がいうことを効きにくくなってしまいます。それが積み重なっていくとせっかく整えても、就寝中の枕とのこすれ等で結局元に戻ってしまう可能性もあります。あくまでヘアアイロンは見た目を整える一時的なメイクアップ効果にすぎないため、使う際はダメージの2大要因「熱」と「摩擦」には気を付けなければなりません。

SALON’S COMMENT

夜使う際には、温度と通し方に気を付けてほしいです。まず温度ですが、160℃以上で通し続けると髪が硬くなると言われています。髪は約8割がタンパク質なので、ゆで卵をイメージしていただくといいかもしれません。見た目の変化はなくても、熱を与えれば与えるほど中の黄味が硬くなり、断面を割ってみるとポロポロパサパサと崩れてくると思います。目には見えにくいですが髪にも同じことが起きてしまうのでなるべく160℃未満を心掛けてほしいです。「夜」「ケアのために」使うのであれば、もっと低い方がよく、水蒸気爆発の臨界点である100℃以下に抑えるのがおすすめです。
使う際には毛束を少なめに取り、しっかりと持ち上げる→手ぐしで毛流れを整列させてからヘアアイロンを通すのがポイントです。ねじれたまま通してしまうとその形でクセづいてしまうので、機器だけに頼るのではなく、ヘアアイロンを持っていない方の「手」をうまく活用してみてほしいです。

CONTENTS 05

どんなヘアアイロンを使うのがいいの?

「夜アイロン」には100℃以下の低温でケアできる
専⽤のヘアアイロンがおすすめです。

⽇中スタイリングをするためのヘアアイロンは⼀般的に⾼温です。ヘアスタイルを作ったり、キープするためにはよいのですが、「夜アイロン」はうねりを取りながら、低温でケアできることがポイントです。
また、超⾳波振動で補修成分を浸透させる機能があるとよいでしょう。加えて、ヘアオイルやヘアミルクを使うと、寝返りなどで⽣じるの摩擦や乾燥から保護してくれる役割があります。髪の⽑の保湿にもなりますのでヘアアイロンと⼀緒に使えるものをお使いください。

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